「私の気持ちなど、どうせ誰もわかってくれないんだ。でも、わかって欲しい~!」今とても寂しい、認めてもらえない私の気持ちをわかって!と心でいつも叫んでいるあなた。
「そうかあ、そういうことだったのかあ」と、池上彰さんの番組のように思わず手を打ちたくなる、そんな納得できる答えがここにあります。
自分をわかってもらえなかった苦しさから、もう抜け出しましょう。その結果、あなたは思いもかけない心の自由と喜び、そして安心な状況をつかめるようになるのです。
どんな時に「わかってほしい!」と思いますか?
「今私はこんなにも悲しくて寂しい思いをしてるのに、あなたはわかってくれない。」
「こんなにも私はあなたのことを思っているのに、何もわかってくれない。」
「頑張っている私を認めてほしいのに、わかってくれない。」
相手に自分のことをわかってもらいたいという思い。気がついたらいつの間にか、頑張り過ぎていて苦しくなっている。今までに何度もわかってほしいと、繰り返し願ってきた思いを見つめてみましょう。
その時、どんな行動をとりましたか?
「私がこんなに寂しくて悲しいのに解ってよ!」と相手を責めた時、「お前の事なんていちいちかまってやれないよ!」と返事が返ってくる。あなたは本当に苦しく悲しい思いをしたことでしょう。
そんな時、あなたはどうしていいのか解らず途方にくれてしまい、まるで谷底に突き落とされたかのような絶望感と孤独を感じたかもしれませんね。
それを解決するために、つまりあなたのことをわかってもらうために、今までどんな行動をとってきたかを思い出してください。
理解してもらえない状態でいるのは辛いから、なんとかしてわかってもらおうとして、「私はこんなことでとても寂しい思いをしているのよ。」と、しっかり説明する努力をしたかもしれません。あるいは、伝える前に不機嫌になったり、相手を責めたり、心を閉ざしたりしてきたかもしれませんね。
わかってもらいたいという気持ちが強いばかりに、相手の話を聞かずに喧嘩のようになってしまったり、あるいは先回りをして自分の価値観を押し付けたりすることはなかったでしょうか?
そんなことが相手にとっては迷惑でうっとうしく、自分と相手の溝を深めていたかもしれません。辛いとか悲しいとかわかってほしいと連発することによって、話がかみ合わなくなって相手が途方にくれたとも考えられます。
そんなことまったく思ってもいなかったという人は、ぜひ立ち止まって考えてみてください。
さて、ここで実験です。
あなたが感じてきた思いを書いてみました。
- あなたは私のことをわかってくれない。
- あなたに私のことをわかってほしい。
この二つの文を、主語も目的語も私に変えてみてください。こうです。
- 私は私のことをわかってくれない。
- 私に私のことをわかってほしい。
ちょっと変な感じですが大事な意味を含んでいます。相手があなたのことをわかってくれないというのは、私が私のことをわかっていないという現象を表現しているのです。つまり、相手が見せてくれるそのことこそが、あなた自身への心の叫びなのです。
私が自分をわかっていない?
今、相手があなたのことをわかってくれないという現象に直面しているのは、実は、自分のことをわかっていないということを相手があなたに見せてくれているということです。
つまり、相手があなたのことをわかっていないのではなくて、あなた自身がご自分のことをわかっていないのです。
なぜ私のことをわかってもらえないのか?
なぜいつもこんなに同じような悩みが繰り返しやってくるのか?
それは「あなたがあなた自身のことを解ろうとしてこなかった。」ということに他ならないのです。
自分自身の本来の心の叫びに耳を傾ける替わりに、世の中で言われているがんばることや一生懸命になることが大事だ、という常識に囚われてしまっているのです。自分の心の叫び声よりも常識としての正解や不正解に合わせることで、自分の心の声よりも世間の価値観に妥協してきたといえるでしょう。
世間の価値観に妥協しているつもりはなかったからこそ、それに気づくように、もっとあなた自身の声を聞いて自分を信頼するようにと、あなたの目の前の人がメッセージを送ってくれているのです。
さあ、もうおわかりかと思います。相手があなたに見せてくれている現象は、あなたが本来の自分に対してやっていることの表れなのです。
本当の自分をわかることは必要でしょうか?
「自分のことを相手にわかってもらいたい」という思いは、「私が私自身にわかってもらいたい」という心の叫びでしたね。
なぜ、そうまでして自分のことをわからせようとするのでしょう?
それは、自分で自分のことがわかるということには、正しいも誤りも、良いも悪いも、優れているも劣っているも、そのような観念がないからなのです。ですから、心の底から安心することができるというわけです。
自分がそう感じているからそうなのであり、自分がそう思っているからそうなのです。その中心にいるのは他の誰かではなくて自分自身だから、本心から安堵できるのです。
それでは、あなたが自分のことをわからない原因はどこにあるのかを考えてみましょう。
原因はあなたの子どもの頃にあった!?
いつ頃からか自分のことがわからなくなっていた。その原因を知ることはあなた自身を知る第一歩です。
まずは、あなた自身が自分のことをわかるために、自分の子どもの頃に意識を持っていってください。そして次のような経験をしなかったか思い出してください。
子どもの頃、あなたなりに一生懸命したことが周りの大人たちから否定された。あるいは、嬉しかったことを報告したのに無視されて悲しい思いをしたなど、そういったことはありませんでしたか?
そんな昔のことが関係しているのかと思うでしょうが、「もう自分のことは言わないようにしよう。私は、間違っているのだから自分の声は聞かないようにしよう。」と自分の心に蓋をして自分の気持ちを抑えることは、二度と見ようとしなくなる原因だと考えられています。
子どもの頃の悲しい、寂しい、悔しいなどの感情はすっかり忘れていますが、実は、心の奥深くに押し込められて残っています。
こういった子どもの頃の体験が、自分で自分を知ることから遠ざけてきたきっかけになっていることがあります。無意識のうちに自分を否定してきた、本当の自分の気持ちを封印して自分を知ろうとしてこなかった、などはその表れです。
もうすっかり忘れてしまっているかもしれませんが、そういう子どもの頃の体験によって、あるいはそれと似たような体験をしたことによって、自分の気持ちをわかろうとすることに封印をしてきたのです。
自分のことをわかろうとしないことと、相手に自分のことをわかってもらいたいということは、子どもの頃の体験が大いに関係しています。子どもの頃、周りの人たちに言われた言葉によって、無意味な思い込みがあなたの中に作られた可能性があります。そこにしっかり向き合ってみてください。そこで、まずあなたの寂しさや、悩みがどこから来ているか自分に問いかけてみてください。
つまり、わたしのことをわかっていないのは相手ではなく自分自身だということなのです。
いかがですか?納得していただけましたか?
何をどう感じて、どうしたいのか、あなたの心の声を聞くことを習慣にしてみてください。自分の寂しさや悲しみをじっくり味わってみてください。真の悲しみや辛さを体験することこそが、私たちがこの地球で生きている意味なのです。
子どもの頃に受けた傷や思い込みを癒すことによって、もうあなたは「私のことをわかってくれない」という孤独感や辛い思いを感じなくなるでしょう。
それどころか自分をわかることで、本当の心の自由や喜びを知り、安心な状況で生きていかれるようになるでしょう。
そしてそれ以上に、もっと別の思いもかけない自由と幸せを手にすることになるはずです。
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