嫉妬しているのは分かっている。こんな思いを抱き続けるのは苦しいから早く手放したい。それなのにますます激しくなって翻弄されてしまう。
「許せない!」
「あの浮気、どう考えても許せない。」
「こんなにも私はあなたのことを思って尽くしてるのに、なぜ?」
恋人や夫に浮気されたとき、あなたは嫉妬の渦に巻き込まれ気が狂うほどの苦しい思いをしたことがありましたね。もしかしたら、今もその真っただ中にいらっしゃるかもしれません。嫉妬という感情はとても激しく、そして強烈なものです。
もちろん私にもそういう時がありました。そして、嫉妬という激しい感情に一番傷ついているのが、まぎれもない自分自身だということに気がついたのです。
実は嫉妬という感情そのものが、想像以上にあなたに苦しみをもたらしています。
嫉妬から派生する悔しい、許せないという感情は、相手を憎み怒りをぶつけます。さらに自分はダメなんだという自己否定にまで及び、頭も心もそのことだけに占領されてしまいます。
大好きな食べ物でさえ嫉妬に汚染され、味も香りも感じなくなります。ずっと前から楽しみにしていたイベントでさえも、嫉妬という激しい感情が台無しにしてしまいます。すべての出来事が、嫉妬という暗雲で覆い尽くされてしまうのです。
その上、相手にぶつけていたはずの思いが自分を傷つけていたなんて、そんなの最悪でしょ?どんなに悔しくて許せないと思っていても、それは嫉妬が起こしている感情だから、早く手放して自由になることを選びましょうよ!
嫉妬という思いから自分を解放し、もっと自由にあなたの毎日を楽しむ方法があります。そしてそれは、あなたにしかできないことなのです。
嫉妬という感情の化け物
先日、若い女性が起こした痛ましい事件がありました。
不倫相手が奥さんと旅行に出かけることに嫉妬した彼女が、相手を包丁で殺害するという事件です。その一時の嫉妬が爆発した許せないという思いが殺人にまで発展してしまった、なんとも切ない事件です。ごく普通の若い女性が包丁を振りかざしたその時の感情の激しさは、想像を絶するものがあります。
感情というものが人にどれほど影響を与えるのかを、改めて思い知らされた気がしました。その人はその一時の感情のせいで、一生後悔や罪悪感に苛まれて生きていかなければならないことでしょう。
そんな時、もし冷静になって許せないという思いから少しでも脱出することができたなら、また違った人生を選べたはずだと思いました。そんなふうに嫉妬という感情は、人生を大きく狂わすくらい厄介なものなのです。
今までどれほど多くの人が嫉妬という感情の化け物によって人生を狂わせてきたか、それで戦争にまで発展させてしまったことか、歴史的な事件の大元にも嫉妬が絡んでいたということからも、それは容易に想像できます。
日本史で代表的な源氏と平家の戦いも、実は頼朝の嫉妬に始まったそうです。そして義経を執拗に追いつめ自害にまで追いやったのも、頼朝が嫉妬したことによると言われています。
中国では西太后が夫の死後、妾に対して行った残虐な制裁も忘れることができません。
もし、あなたの心に潜む嫉妬という感情を消すことができたら、もし地球に住む人間から嫉妬という感情をすべてなくすことができたら、どれだけ十分な幸せをもたらし、どんな平和な世界が展開されることでしょう。
私が嫉妬の感情から抜け出せた出来事
実は私も嫉妬という感情に苦しんだ時期がありました。その感情に心が奪われ、日々苦しくて苦しくて何とかならないものかと思っていました。すると、とても不思議なことが起きたのです。
ある晩のこと、夢の中に「嫉妬という怪獣」が現れました。
その怪獣は毛むくじゃらで、大きさは私とほぼ同じくらいでした。私はその怪獣と汗だくになって取っ組み合いの喧嘩をしました。夢の中のことではありましたが本当に厳しい戦いで、結果はよく覚えていないのですが、おそらく私が勝ったのでしょう。それ以後私は嫉妬という感情を感じなくなりました。
現実に私は、喧嘩というものを今までやった記憶がありません。ですからそういった意味でも、私にとってはとても衝撃的な忘れられない夢となりました。それは、まるで森に棲む悪獣をおびき出して退治する、そんな感じに似ていました。
男女関係の嫉妬
恋愛している時というのは視野が狭くなり、心が相手のことで占領されてしまいます。
「相手のことが知りたい。」
「相手に愛されたい。」
そういう思いから一生懸命尽くそうとします。そして、こうすれば愛されるだろうという自分の思い込みや、考えつくできる限りの気持ちを添えて一生懸命尽くし、愛されたいと切に願うのです。
その一途な思いで意識の狭まった恋心が浮気という相手の行為にさらされたとき、それは大事に大事に育てた繊細な愛するという気持ちを鋭いナイフでえぐられたような苦しみに変わります。
「こんなに愛して、尽くしているのになぜ?」という裏切られた思い、被害者としての苦しみ、許せない思いでパニックになり心が壊れてしまいます。
夫婦においては、相手を信じてきたのに裏切られたという思いで心が覆いつくされます。自分を責めてみたり、情けない思いをしたり、自分の気持ちが踏みにじられた悲しみや怒りを感じたりと、嫉妬というのは何重にも苦しみをもたらします。
すべてが体験
嫉妬がもたらす数々の苦しみ。それらは単に苦しいだけでなく、あなたの心を苛み攻撃し続けます。これ以上自分自身を傷つけないように、「自分はもう十分に苦しんだ。」ときっぱり解き放ってみましょう。
まず、「嫉妬という苦しい体験をすることになっていた。」と捉えてみましょう。「こんなにも苦しいことをただの体験で済まそうなんて!」とおっしゃるかもしれません。でも、やはりそれは人間であるからこその体験なのです。
もしかしたら、こんな恋愛をしてしまった、あるいは結婚をしてしまった自分が許せないという思いが沸き上がるかもしれません。でも決してそんなことを思う必要はありません。
激しい恋に落ちたことも、結婚という選択をしたことも、そして浮気されて嫉妬することも、決してあなたの間違いではなかったのです。
つまりは、そういう選択をした自分も、自分を許せないという思いも、すべてが経験だったんだと思ってみてください。
そこを乗り越えることができたとき、あなたは何年か後には、そのことを一つの思い出として語ることができるようになっているでしょう。そして、その体験を超えたことによって意識の広がった心と、人を許せる感情を持った人となっていると思います。
私たちはこの地球に人間として生まれて、いろいろな感情を体験することになっています。それは、この地球でなければできない体験なのです。
許せないという思いの嫉妬も、私はひどい目にあった、自分はなんて愚かなんだろうという思いも、すべては体験のためだとしたら、そういった感情を体験するのはもう十分だと思いますよね。
嫉妬という感情に縛られて自分を苦しめることを選ぶのも、嫉妬は体験だったのだとその感情を手放して光の道に進むのも、それはあなたの自由です。そしてそれはあなたの気持ち一つでできることです。
それでもまだ、嫉妬心を燃やして相手を許せないという思いを持ち続けたいですか?
それとも、充分に体験をしたから次のステージに進みますか?
嫉妬から抜け出す6つのステップ
体験として捉えたら、次のステージに進みましょう。
拭っても拭っても執拗にまとわりついてくる粘着質な感情。自分自身を食い潰されてしまうような脅威を感じる感情。どうやったらその厄介な嫉妬という感情から抜け出せるのでしょう。
実はどの感情も、その感情が表れたときに消去あるいは手放すのが最も効果的だと言われています。そしてそれは強烈に表れた時こそが手放す効果が絶大なのです!
ちょっと苦しいかもしれませんが、「嫉妬という感情は百害あって一利無し」ということをしっかり心に刻んでから次のことにチャレンジしてみてください。
- その感情、嫉妬している今の自分を客観的に観ます
- 自分は嫉妬を感じていると思いながら、その感情を十分に感じます
- 嫉妬を感じている自分を、もう一人の自分が俯瞰して観察します
- もう一度、嫉妬の感情を思いっきり苦しいくらい十分に感じます
- きっぱりと「私は嫉妬という感情はもういらない!」と宣言します
- あなたが感じたい平和で穏やかな気持ちや感情を、嫉妬があったスペースに入れます
もしかしたら、何度も何度もこの作業は必要になるかもしれません。けれど今感じている重苦しさが必ず軽減されていきますので、嫉妬を感じるたびに取り組んでみてください。
嫉妬というのは独占欲なのです。そしておそらく物心ついて最初に感じるのもこの嫉妬という感情なのかもしれません。
「自分だけ、自分だけのもの!」
これって心が狭くなった小さな自分に思えませんか?
ある意味、嫉妬という感情は私たち地球人にとって最も馴染みのある感情なのだと思うのです。あなたが嫉妬から解放されることを今選択するだけで、嫉妬という思いに翻弄されることから抜け出せるのです。
そしてあなたは、一段階意識が広がり進化した自分に出会うことができるのです。それはまさに、嫉妬という苦しい制限から解放されて自由で伸びやかな人生を取り戻すことです。
私はこのことをニチメコで学んできました。