日々生活をしていると、学校や仕事関係、ご近所、友人、親類縁者など、実に多くの方々とお付き合いをします。大勢の中には、親しくなれる人、あるいは、苦手な人がいるものです。
苦手な人とは、できるだけ会わないようにしたいですね。けれど、どうしても会わなければならない時もあります。そのような時は、一体どうすればいいのでしょう。
苦手な人とは、どのような人なのでしょうか?
それは、一目見ただけで合わないと感じるような人です。特に嫌がらせや、意地悪をされたのではないけれど、身体が嫌だと反応してしまい、自分の意思ではどうにもなりません。このように生理的に受け付けず、拒絶反応を起こす場合、以下の要因が考えられます。
- 目つき、体型、ヘアスタイル、声、しぐさなど、外見的な要因で合わないと感じる。
- 性格、動き方、言動、趣味など、内面的な要因で合わないと感じる。
- 雰囲気、体臭、清潔感、品がないなど、その人から醸し出される要因で合わないと感じる。
例えば、職場で嫌がらせをされたり、卑猥な話題を向けられたり、陰湿な感じの雰囲気を出されたりすると、不快で嫌だから合わないと感じます。これに対して、特に何かされてはいないけれど、身体が拒絶反応を起こす場合は、生理的に合わないということなのです。
生理的に合わないと、同じ部屋に居るのも、同じ空気を吸うのも、声を聞くのも、視野に入ってくるのも我慢できず、嫌悪感を抱いてしまいます。更に、そのような人が傍に来るだけで、脂汗が出たり、吐き気を催す場合もあります。こうなると、日常が苦痛になってしまいますね。それでは一体、どうしたらいいのでしょうか?
苦手な人や嫌いな人とは、できれば付き合いたくありませんね。けれど、職場が同じだったり、ご近所さんだったりすると、そうもいかないものです。かといって、露骨に苦手だ、嫌いだというのを態度に出すのも控えたいものです。
これを心理学的に見ると、興味深いことが分かりました。あなたが苦手だと思っている人の嫌だと感じる面は、あなたが欲しいと思いながら、諦めていたものに関係があるのです。つまり苦手な人は、あなたが諦めていたものを、手に入れる鍵を握っている人だったのです。
1、苦手な人は、あなたの禁止令を破っている
それでは、あなたが諦めていたものとは何か、考えてみましょう。
例えば、あなたが人に甘えることを、ご自身に禁止していたとしましょう。責任感が強くて面倒見がいいと、職場で頼られているあなたは、後輩が上司に甘えるのを見て、腹が立ちイライラしてしまいます。
もし甘えることを禁止していなければ、後輩の様子を目にしても、「また甘えている。」と思う程度で、イライラすることはないでしょう。甘えても甘えなくても、それはどちらでもいいし、取り立てて意識するようなことではないですものね。
2、心の奥の隠れている想いを知る
あなたが諦めていたものとは、例えでいうと「甘えること」でした。それでは、なぜ甘えることを諦めたのでしょう。
もし、甘えることは悪いこと、良くないことだという価値基準を持っているとすると、あなたは自分自身に対して、だれかに甘えることを禁止します。甘えるのは大人のすることではない、それでは成長しない、一人前として扱われないなどの、価値基準に照らし合わせて判断するからなのです。
更に、禁止する理由があります。
もし、甘えたいと思わないならば禁止する必要はありませんね。あなたが認識できないような心の深い部分で、甘えたいという欲求があったり、甘えてしまうのではないかという恐れが隠れていると、それが表出しないようにしようとします。それで禁止するのです。
禁止するというのは、心の奥深くの厳重に管理されている倉庫に入れて、鍵をかけるようなものです。一度倉庫に入れると、入れたことさえ忘れてしまい、再び倉庫から出す可能性は低いです。ですから、あなたが禁止したものを持っていることを、人に知られることは、まずありません。そのために設置された倉庫なのです。
3、隠れていた想いが教えてくれること
ここでゆっくり考えてみましょう。
諦めていたものを手に入れられるかもしれないと思うと、見たくなりませんか?あなただけした見ることができませんから、安心して倉庫から出してみてください。取り出したら、それを倉庫に入れた頃を思い出してみましょう。
なぜ甘えられないのか、過去を遡ってみましょう。
子供の頃、まだ甘えたい年頃に、年下のご兄弟のお世話が大変だった母親から、厳しく言われていたとしたら、甘えられない寂しさや悲しさ、孤独感、自分は大切にされない、人に頼ってはいけないという思い込みなども、併せ持っている可能性があります。
このような場合には、それらの感情や思い込みを癒すことが必要です。そうすることで、ずっと抑え込んでいた感情が解放されて、気持ちが軽やかになります。更に、自然に甘えられるようになって、価値感が変わる可能性もあります。
そして、甘えたいという気持ちがあることを受け容れてみましょう。本当は甘えたかったけれど、そう言えなかっただけなのです。最初は難しく感じるかもしれませんが、心の緊張を取り除いて試してみてください。すると、とても困ったときに、人に頼ることができるようになったり、甘えている人を見ても、イライラしたり腹が立つことがなくなるかもしれません。
4、苦手な人が示してくれることを知る
あなたの苦手な人は、あなたがより自由に、軽やかに生きるためのヒントを、伝えてくれるメッセンジャーのお役目をしています。あなたが気付かない心の深い部分を、あなた以外の人に投影して、映し出して教えてくれているのです。
とても苦手な人がいるのでしたら、その人が見せてくれる嫌だと思う部分を分析してみましょう。未知のあなたと出会えるチャンスです。
心の奥深くに隠れていた想いを発見して解放することで、生きる楽しさを、もっと感じられるようになるでしょう。更に、苦手な人もいなくなっていきます。何よりも、あなたの成長に役立つのです。もし苦手な人がいるのでしたら、この課題にチャレンジしてみませんか?