後悔することは私たちの人生からなかなか切り離せないものなのかもしれません。
「あの時、あんなこと言わなければよかった!」
「なんであんなことしてしまったんだろう?」
大なり小なり過去のことを悔やみ、誰でも後悔からくる自責の念や罪悪感などの傷を心に持っているものです。
普段の暮らしの中で、気が付くといつの間にか過去のことを悔やんでご自身を責めて苦しんでいることはないでしょうか?
そんな苦しい思いが心の隙間にいつまでも残っていて辛い時に、心のサプリメントであなたを癒していただけたらと、そんな思いで自分軸からお伝えします。
後悔と言い訳
過去のことを思い出した時に感じる心の傷は、恨み、悲しみ、罪悪感、後悔などを伴っていると思います。今回は後悔に焦点を当ててその本質は何かを解明してみましょう。
後悔とは、過去において自分のやったことや言ったことに対する自責の念です。
「なんてひどいことをしてしまったんだろう。」
「なんて失礼なことを言ってしまったんだろう。」
相手は怒っているに違いない。そんな自分を許せない気持ちや自分を責める気持ちが後悔ですよね。いつも絶えずその感情を感じているわけではないけど、ふとした時に表れては苦しみをもたらすのも後悔の特徴だと思います。
その自責の念に対して、「あの時は仕方なかったんだ。だってそれがいいと思ってやったことなんだから。」と自分の中で言い訳が始まります。でもその言い訳を自分自身にすると、「自分はなんてひどい人間なんだ。あのことを自分の都合のいいように言い訳して済まそうとするなんて・・」と、また苦しむのです。
そうやって押し問答が始まり、苦しみの堂々巡りが終息することはありません。そしてやっぱり後悔することになるのです。
後悔も人生に必要なアイテム?
ところで、今世で体験する課題のひとつに感情があることをご存知ですか?
つまり感情のひとつである後悔するという体験も、あなたが今世に選んで持ってきた必須アイテムだということです。ちょっと変に聞こえるかもしれませんが、そのように捉えてみてください。
私たちはこの地球にいろいろな体験をするためにやってきました。その主なものが感情の体験です。
この突拍子もない話に、どういうことか分からずにキョトンとされているかもしれませんので、もう少し詳しくお話ししましょう。
穏やかで平和な日々には、不安も恐れも後悔も心配もなく、毎日が何事もなく淡々と過ぎていきます。そんな所から私たちは、地球という感情を体験できるスリルあるテーマパークへやってきたのです。
これは、わざわざスリルを味わうためにジェットコースターに乗るのと同じ感覚です。
そしてあなたは地球に来る前に、自分で体験したいテーマとなる感情を選び設定しました。ある人は悲しみや恐れ、ある人は怒りや嫉妬、またある人は猜疑心や自己否定などを設定し、苦しくて辛い経験を求めてこの惑星にやって来たのです。
地球は学舎
私たちはこの地球に生まれるために肉体を授かり、様々な感情を味わうために何度も生まれ変わっては、自分で決めてきたミッションをクリアしてきました。
例えば嫉妬とはどういう感情なのか、羨ましいとはどういった気持ちなのか、その他後悔や罪悪感、自己卑下などありとあらゆる感情をリアルに体験してみたいとやって来ました。もちろんその中には、喜びや幸福感などの感情も含まれています。
多くの人が高い山の登山にチャレンジして登頂に達した時の喜びを味わうために、わざわざ危険を冒してでも挑むように、私たちもわざわざ地球に辛い感情を体験するために冒険をしにやって来ています。
もし地球が感情の体験場だということを最初から知っていたら、それは冷めたものになり感動が薄れてしまいます。ですからそのように設定してきたことをすべて忘れて、地球での体験をリアルに苦しみ、悲しみ、後悔するようになっているのです。
そのような観点から、あなたの今までの人生を振り返ってみてください。
悲しいことや辛いこと、悔しいことや情けないこと、嬉しいことや楽しいことなど、たくさんの感情の体験をしてこられたことでしょう。それらは全て学びのための感情の体験だったのです。
そんな馬鹿なと思うかもしれませんが、どこかにそうかもしれないと共感する気持ちがあるように感じるのではないでしょうか。たとえ共感できなくても、今はその視点で捉えてみてください。
とびっきりの悲しさも悔しさも屈辱感も、すべては体験のための設定だったと考えると、少しはその感情を客観視できると思います。その自分の感情を第三者的に観察することがとても大切なのです。
「ああ、今私は後悔という感情を味わっているんだ。」と、後悔するという感情を客観視してみてください。
後悔という感情を紐解く
後悔する時というのは、人によってシチュエーションや感じ方がさまざまです。何度もやってくる自責の念もあれば、そこに触れまいとする自分がいたりもします。
自分の感情を押し込めたり、蓋をして無かったことにしたりして、私たちは苦しみたくない思いからそんな手段もとってきました。
後悔とは、それほど大きな苦しみを伴う感情です。では、なぜ後悔することに苦しむのでしょうか?
その根底に「許されない」という自分を責める気持ちがあるのはではないかと思います。相手に対して、あるいは社会に対して自分は許されない罪を犯したという思いが自分自身を苦しめる大元にあります。
実は、そこに大きな鍵があります。あなたを許さないのは相手でも社会でもなく、自分が自分を許していないのです。もし自分が自分を許していたとしたら、一般的にどんなにひどいことをしたとしても、後悔という感情は出てこないはずです。
つまり後悔とは、自分を許さないことを相手や社会を通して投影しているにすぎません。
自分を許すこと
言い訳や取り繕うことではなく、そのままのあなたを今許すことができますか?
あの時はこうだったからと言い訳をするのではなく、ただ今のそのままのあなたを許せますか?
後悔の念が出てきた時に、まずはそのままのあなたを許すことをやってみてください。「私は自分を許します。」と何度も何度も、言葉で唱えてみてください。
そのままの自分を許すことは、難しいかもしれません。でも許していいのです。許さないという気持ちを持ち続ける必要はありません。
苦しい思いをしたあなたを、あなた自身が許すのです。自分を許すということは意外にも勇気がいるものです。なぜなら、その奥に潜む「~でなければいけない。」という価値観や強い思い込みがあなたを縛り付けているからです。
正しくなければいけないと思い込んでいる自分がそこから外れてしまった時、自分を許せなくなるのかもしれません。でもその思い込みもまた体験の一つのテーマなのだとしたら、そんな自分を受け留められるのではないでしょうか。
いろいろな思いで辛い体験をした自分を「お疲れ様」と優しく暖かい光で包んでみてください。目の前にマリア様をイメージする方もいるでしょうし、お釈迦様やほかの神様をイメージする方もいるかもしれません。
その形は自由です。そうしてあなたはあなた自身を許すのです。
自分を許したその後に
まずは形からでもいいですから、自分を許してあげてください。そしてその後、暖かくなったその心を同じように周りの人にも向けてください。何度も何度も繰り返し、自分を許し、周りの人を光で包んでいくうちに、後悔の気持ちが薄れていくことでしょう。
自分を許さないという感情があなたの心に残っている限り、人も許せなくなります。そして周りの人も、あなたを許さないことが起きてくるかもしれません。なぜなら外に見えている世界はあなたの心が映し出されたホログラムだからです。
後悔の気持ちが自分を許し愛に変わった時、今度はとびきりの輝く光に変わることでしょう。それこそが表裏一体、コインの裏表なのです。そしてそうなった時、あなたが体験する現実も変わっていっているはずです。
やがては、あなたの後悔の感情は雪が解けていくように消え、その感情に浸ることはなくなるはずです。それは、突然気がつくという感じではなく、「そういえばいつの間にかそのことを思わなくなった。」というふうに徐々に薄くなっていき、気がついたらなくなっていたという感じになることでしょう。
あなたがもう後悔することで苦しまないように、心軽やかに毎日を楽しく過ごせるように、どうぞお試しあれ!